営業代行

営業代行とは、顧客獲得や契約獲得のための営業活動を、外部に委託できるサービスです。昨今の人材不足により、近年導入する企業が増えています。うまく活用すれば、営業活動の手間や負担を軽減でき、企業は無理なく新たな顧客との接点を持つことができます。

また、新型コロナウィルスの影響で訪問・対面での提案が難しいなか、オンライン上で営業活動を行う動きも、広まりを見せています。オンライン対応している営業代行を導入すれば、自社にはないノウハウによって、営業活動全体の質を向上できる可能性があります。

営業代行のメリットは?

まず営業代行を導入することで、どんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

営業スキルの高い人材を確保し新規開拓がスピードアップできる

社内で営業スタッフを育てるためには、どうしても時間がかかってしまいます。また研修や教育など社内育成するためのコストも見逃せません。新製品の販売や新たな販路開拓のための営業スタッフが必要になってから、採用して育成したのでは成果を出すためには長い時間と大きなコストがかかってしまいます。

この問題を解決できるのが営業代行です。営業代行を導入することで、すぐに必要な営業活動をスタートすることが可能になるでしょう。

営業に精通した人財を手に入れることができる

営業代行は成果を出すことを目的とした営業のプロフェッショナル集団です。営業代行を行う営業マンは各業種の営業として第一線で活躍した経験者も多く、営業代行を利用することで営業に精通した人財を手に入れることが可能になります。

また費用も成功報酬や固定費+成果報酬であることが多く、費用対効果を高めながら営業力アップを図ることができるのです。

自社の営業マンでは入りこめない企業にアプローチできる

営業代行の営業マンはそれまでの経験から豊富な人脈を持っていることも多く、それを活用することで自社の営業マンでは入り込めなかった業界や企業にアプローチすることができるようになります。そのため新規の顧客層や新たな販路が大きく広がることも期待できるでしょう。

営業派遣との違いとは

営業の仕事を他社スタッフに行ってもらいたいと考える場合、「派遣の営業スタッフを雇う(営業派遣)」という選択肢もあります。ここでは、営業派遣と営業代行の違いについて詳しくご紹介します。

営業派遣とは

営業派遣は、営業の業務に合った人材を派遣会社が選定し、そのスタッフに自社で勤務してもらう仕組みです。営業代行が「代行業者スタッフへの業務委託」という形であることに対し、営業派遣の場合は「派遣会社に勤めるスタッフを派遣してもらう」形となります。業務に関する契約の形式自体が、派遣と代行では異なっていることがわかります。

営業代行と営業派遣を比較した際のメリット・デメリット

営業代行が、営業派遣と比較しメリットがある点は、自社においてスタッフの指導や教育などを行う必要がない点です。完全な業務委託となりますので、自社で指揮監督をする必要がありません。プロフェッショナルなスタッフに「おまかせ」する形で、営業活動を進めてもらうことができます。ただし、目標の設定や期間の指定などは契約する際に自社の要望に添って行えます。

「開業直後で、どう営業してよいか分からない」「営業経験がなく、ノウハウを持っていない」など、社内において営業のシステムが整っていないケースなら、安心してお任せできるでしょう。

営業代行には、営業派遣と比較しデメリットがある点もあります。必要な人数だけ派遣スタッフを雇う形の営業派遣に対し、営業代行では営業活動そのものを一任することとなります。そのため、大きな成果をあげられた場合などはその分コスト高になる場合もあり得ます。

このように、どちらにもメリット・デメリットがあります。自社の状況や事業規模などによって、営業代行と営業派遣のどちらを選ぶべきかは変わってくるといえるでしょう。

営業代行導入後の流れ

では実際に営業代行を導入した後でどんな流れになるのかを見てみましょう。

現状分析

販売する商品やマーケットの状況、営業面での課題、必要な営業人材などについて営業代行会社と打ち合わせをしながら現状分析を行います。

ここでは「営業代行に何を求めるのか」「商品やサービスの特徴」「獲得したい顧客数や売上」などについて営業代行会社からヒアリングを受けることになります。そのため、「なぜ営業代行を利用するのか」「営業代行を利用することでどんな成果を出したいのか」を明確にしておくことが重要です。

営業戦略企画

現状分析を元にターゲットや販売目標、目標達成までの期間、営業手法、営業プロセスなど詳細を詰めて目標達成のための営業戦略を企画します。もし社内と営業代行会社で役割分担をするものがあれば、営業代行を依頼する範囲と自社内で行う範囲を明確にしておくことも重要です。

営業活動

立案した営業戦略を元にテレアポや訪問、プレゼン、クロージングなど成果を出すための営業活動を行います。

営業活動を開始するにあたっては商品知識やターゲットに関する知識、営業フローやセールストークのポイントについて営業代行会社へのレクチャーが必要になる場合もあります。

また最初は自社の営業マンが同行して営業を行うのが効果的なケースもあるでしょう。営業の結果や状況について営業代行会社から定期的に報告を受け、必要があれば営業戦略を見直します。営業代行会社に依頼したからといって丸投げにしないで、社内に営業ノウハウを蓄積させようと意識することが重要です。

営業代行の料金相場は?

営業代行を依頼する場合、気になる点といえばかかる費用も挙げられます。ここでは、営業代行の導入にかかるコストの相場についてもご紹介します。

営業代行の相場

営業代行には、「固定報酬型」と「成果報酬型」という、おもに2つの料金形態があります。固定報酬型の場合の料金は「営業スタッフ1名あたり月額500,000円~700,000円ほど」が相場といわれています。ただし、扱う商品・サービスの専門性や特色によっては料金が大きく変動する場合もあります。

成果報酬型の場合の料金相場は、「アポ1件あたり15,000円~20,000円ほど、受注・成約まで一任する場合は1案件の売上あたり3割~5割の金額」とされています。こちらも営業する商品やサービスの内容によって、料金が前後する場合があります。

成果報酬と固定料金

営業代行業者の料金設定に「成果報酬制」と「固定報酬制」の2つがある点は、先にも述べています。基本的に、成果報酬制の営業代行サービスは営業先への訪問やアポに特化されているケースが多く、受注や成約までを請け負う業者の数は限定されます。成果がなければ料金の支払いは不要となりますが、成果が上がった場合に支払う費用は固定報酬制と比較して高めになる場合が多くなるでしょう。

どちらを選ぶべきか(選び方の軸)

成果報酬制の営業代行業者の場合、確実に成果をあげられる案件に関する業務でなければ委託しにくい場合があります。実際に調べてみると分かりますが、固定報酬制か、固定費+成果費を支払う形の複合型料金形態のどちらかしか選択できない代行業者も多くあるはずです。

いずれを選択する場合も、まずは売上から代行業者への報酬を差し引いて、どのくらいの利益が得られるかを試算しましょう。また、公表されている金額にオプションコストが加算される可能性もあるため、必ず見積を取って正しい料金でプランを立てることが大切です。

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